上手に人の力を借りよう

とにかく先生たちは、何でも自分でやりたがります。

 

また、学校には、担任とはすべて自分でやるべき、という価値観も根強くあります。

 

 

堀江貴文氏は、『時間革命』の中で次のように述べています。

 

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ぼく以外でもできることは、専門知識や適性がある人に任せて、ぼくは自分が得意なことに集中する。そもそも、会社に赤の他人同士が寄り集まる意味は、そこにしかない。中略チームワークとか絆など全部まやかしだ。得意な人が得意な仕事に集中し、より多くの利益を上げる。そのために会社があるのだし、それができない会社に存在価値はない。中略いつも時間がないと言う人は、自分の「コアバリュー」が見えていない。だから得意ではないことに手を出して疲弊し、誰でもできる雑務を抱え込んでパンクする。

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学校組織に置き換えると、どうなるでしょうか。

 

本校では、学部制というシステムをとっています。

低学年、中学年、高学年、それぞれ担任プラスアルファでチームを作ります。

 

担任は、授業・一緒に遊ぶ・問題対応など、直接子どもに関わる仕事を行います。

担任外は、授業をいくつか担当し、宿題、テスト採点、通知票のデータ入力、欠席児童への連絡、病気けがの対応など、担任でなくてもできる仕事を担当します。

 

私が担任外になったときには、授業も、担任にすべて取りたい教科を選ばせて、残ったものを私が担当する、ということをしていました。

 

担任の負担を下げて、子どもに向き合う時間を増やすためです。

 

そんなことをしたら、担任の力がつかない、という意見があります。

本校の中にも、ずっと根強くありますが、私はそうは思いません。

 

一人一人が学校という組織の中で、最大の力を発揮できるように動く。

それによって、最も無理なく、負担なく、しかも子どもにとってより価値のある教育が提供できると考えます。

 

昨年度は教務主任をしていましたが、担任時代と比べて「なんて楽なんだろう」と感じました。

 

他の担任外たちに聞いたわけではありませんが、多分、同じ感想を持っていると思います。

 

超過勤務の時間を見ても、一目瞭然です。

担任の平均時間外勤務は、20時間越え。

担任外は10時間以下の人がほとんどです。

 

子どもに関わりたくて先生になっている人がほとんどでしょうし、できれば全部自分がやりたい!という気持ちも理解できます。

 

しかし、それは、本当に子どもにとってプラスなのでしょうか。

 

今あるカードを最大限に活用して、最大の価値を生み出すには、どのようにすればよいのか。

 

一人一人が考えて動いていってほしいと思います。